東京音楽大学付属民族音楽研究所

2017年度公開講座No.5

中央アジア・キルギス民族楽器アンサンブル「オルド サフナ」を聴く

講座詳細

開催日程 2017年11月22日(火)18:30開演(18:00開場)
場所 東京音楽大学J館スタジオ
入場料 入場無料
申し込み 予約不要。当日先着順のご入場となります。
定員 200名
進行 ウメトバエワ カリマン Уметбаева Калыйман(民族音楽研究所社会人講座講師、オルド サフナ来日公演2017実行委員会 代表)
監修 甲田 潤 Kouda Jun (民族音楽研究所専任研究員)

講座内容

3弦のコムズや口琴などを使った民族楽器ユニット「オルド サフナ」の演奏をはじめ、歌手や、世界一長いと言われる叙事詩「マナス」の語り手による実演を紹介。中央アジアの音楽文化を深く知る、絶好の機会となるでしょう。

キルギスの音楽と楽器

天山山脈とパミール・アライ山脈に沿うように位置する中央アジアの「天空の国」キルギスКыргыз共和国。1991年にソ連より独立。日本の約半分(198,500㎢)の国土に、約600万人が暮らす。首都はビシュケク。国語はキルギス語、公用語はロシア語。

遊牧民であったキルギス人は、平地で遊牧を行うカザフ人やトルクメン人とは異なり、山の麓から頂上までを「垂直方向に」移動し、また狩猟も生活の中で重要な位置を占めていた。厳しい自然のなか、頻繁な移動を伴う遊牧生活では、物はなるべく軽く、小さく、持ち運びやすくする必要がある。このため、楽器も小型である。また、険しい山々によって人々の交流が制限されていたため、音楽は個人や、少人数での楽しみのために演奏されるのが普通であった。それゆえ楽器の奏法は即興的で、音もあまり大きくない。

楽器には、キルギスの国民楽器とも言われる3弦の撥弦楽器コムズをはじめ、2弦の擦弦楽器クル クヤック、口琴オーズ コムズ(鉄製の物をテミル コムズ、木製のものをジガチ オーズ コムズと呼ぶ)、縦笛チョールやチョゴイノ チョール、横笛スブズグ、土笛チョポ チョール、太鼓ドブルバスなどがある。

オルド サフナ ОРДО САХНА

キルギスを代表する実力派民族楽器ユニット。「オルド サフナ」は「ハン(汗)の舞台」の意。演出家ジャパロフ シャミルЖапаров Шамильにより1999年に結成された。2005年愛知万博公演・川崎公演以来、2度目の来日。民族音楽の保持、発展、普及活動の傍ら、ソ連時代に録音された古い曲の復元や研究にも力を注いでいる。

CD:「伝説の音楽 Музыка легенд」(2000年)、「遊牧民の歌 Песня кочевника」(2001年)、「火の馬 Огненные лошади」(2007年)。

来日メンバー

  • ジェティゲン ウール アスカット Жетиген уулу Аскат(ヴォーカル、コムズ、テミル コムズ)
  • ソヴェット ウール テミルラン Совет уулу Темирлан(チョール、チョゴイノ チョール)
  • オムルガズ ウール ジュルガルベック Өмүргазы уулу Жыргалбек(コムズ、テミル コムズ)
  • バルマンバエフ エルラン Барманбаев Эрлан(スブズグ、チョポ チョール)
  • アティロフ アイナザル Атилов Айназар(クル クヤック、テミル コムズ)
  • マンベタリエワ ティナティン Мамбеталиева Тинатин(バス クィヤック、テミル コムズ)
  • アイダラリエフ アカイ Айдаралиев Акай(ドブルバス)
  • サグノワ グルザイル Сагынова Гулзаир(ヴォーカル、コムズ、ジガチ オーズ コムズ)
  • ジャパロワ チョルポン Джапарова Чолпон(ディレクター) 

ルスクロワ グルザダ Рыскулова Гулзада(歌手)

伝統とオルタナティヴの融合、自然との調和を探求し、古代、民族、現代、ロック、民俗等の音楽を結びつける、ジャンルを超えたミュージシャン。

その歌声は、精神性、平和、調和、祖国の英雄、自然の力を語る。オシュ州教育学院卒業。コムズ、口琴などの楽器も演奏。

ママダリエフ カミル Мамадалиев Камил(マナスチ~英雄叙事詩マナスの語り手)

1981年タラス州生れ。1999年タラス国立大学文学部に入学、大学に在籍しながら児童センターの教員になる。

2011年から現在に至るまで「マナス・オルド」学校で「マナスを知ろう」という内容の授業の教員をつとめる。1993年から現在に至るまで、コンクールやフェスティバルでの受賞多数。

会場地図