開催日程 | 2018年 10月 27日 15:00開演(開場は30分前) |
場所 | 東京音楽大学A館 A200教室 |
入場料 | 入場無料 |
申し込み | 予約不要。当日先着順のご入場となります。 |
定員 | 200名 |
私どもの故・伊福部昭初代所長が蒐集した、貴重な明清楽器、楽譜などの資料を公開し演奏するなど、2011年より毎年秋に開いているこの公開講座も、8回を数えることとなりました。この度も長崎から元長崎明清楽保存会会員の山田慶子、浦田美砂氏をお招きし、また、琴人:飛田立史氏による「琴学」の演奏も交えて、総勢14名により、古きを尋ねる音楽をお聴きいただきます。
さらに今回は、今年が万葉の歌人、大伴家持生誕1300年の記念の年でもあることから、第4回の講座の際にソプラノと明清楽器で演奏致しました伊福部昭の晩年の作品、大伴家持・大伴坂上郎女の歌による《因幡万葉の歌による五首》を原曲の編成で、ソプラノ:弓田真理子、アルト・フルート:中野真理、二十五絃箏:滝田美智子氏の演奏でお聴きいただきます。
どうぞ、お楽しみ下さい。
中国から我が国に伝わった俗楽のことです。
一般に明楽は中国の歴代王朝の一つである明朝(1368年 - 1644年)伝来の音楽のことですが、現代の中国には伝わっていません。我が国では江戸の中期以降、武士階級の間で学ばれた記録がありますが、幕末期の清楽の台頭により衰退し、清楽の中に組み込まれ、それ以降一括して明清楽と呼ばれるようになりました。
明朝末中国南方(福建省を中心とした地方)の音楽で、主に唐宋の名詩詞を歌詞とした、当時の教養人の嗜好にあった音楽でした。能楽以外学ばなかった武士も、これを学んで恥じることがなかったのです。
明楽を伝えるものとしては『魏氏楽譜』(刊本50曲、抄本200曲)と、『魏氏楽器図』があり、それ以外には、『南京笛譜』や『明楽唱号』等があります。
清楽は、主に文化・文政期、江戸時代後期に発展した中国の地方の俗曲を中心とした一大音楽群です。
明治初期をピークに出版された『清楽譜』は数百にも上り、しかも中国では已に失われてしまった曲譜も少なくありません。幕末から明治初期にかけての、文人趣味や煎茶道の勃興と相俟って盛んに学ばれました。
しかし、現在では百年近い伝統が消えてしまい、我が国でも殆ど伝えられていません。
大伴家持・大伴坂上郎女 歌 伊福部 昭 作曲
琴学 | 良宵引 |
明楽 | 陽関曲 五供養 |
清楽 | 九連環 沙窓 月宮殿 十二紅 漫板流水 長崎ぶらぶら節 唐船祭り |
演奏 | 稲見 惠七・生田 容子・加藤 徹・金子 美也子・佐藤 新夏・佐藤 八紀・鈴木 綾子・鳥谷部 輝彦・八木 秀夫・三好 史 |
ゲスト出演 | 元長崎明清楽保存会会員 山田 慶子・浦田 美砂 |
琵琶 | ウ・シーイン |
七絃琴 | 琴人 飛田 立史 |
音楽監修 | 明清楽研究者 稲見 惠七 加藤 徹(明治大学教授) 甲田 潤(民族音楽研究所) |