東京音楽大学付属民族音楽研究所

民族楽器入門講座「月琴」

開講日 準備中
時間 19:00~20:00(入門)
曜日 火曜日
受講料 12,960円(税込)
楽器レンタル 貸出3000円、楽器持ち込み歓迎
定員 15名

講座内容

江戸時代中頃から明治にかけて日本で大流行した音楽が「明清楽」。合奏の代表的楽器である「月琴」は、現代の人気楽器ギターと同様にフレットが付いています。調弦すれば簡単に弾くことができ、音も小さく、一般住宅で練習できます。

当研究所の特別公開講座「伊福部昭の遺した楽器~明清楽器を聴く~」に出演した演奏者たちと月琴演奏を楽しみましょう。

講師:稲見 惠七(いなみ けいしち)

稲見 惠七(いなみ けいしち)

富山県魚津市出身。尺八を邦山会で都山流を学び、二胡・胡弓・地唄三弦を坂田古典音楽研究所で学ぶ。月琴奏法は長谷川敏幸氏より学ぶ。明清楽楽器に魅了され長谷川氏と共に明清楽資料を精力的に収集。2004年には琉球御座楽復元演奏研究会の依頼により、長線(阮咸)・月琴・四線・胡琴を製作。伊福部昭先生が遺された明清楽楽器と御座楽楽器の共通性を見いだし、昨年の公開講座「伊福部昭の遺した楽器~明清楽楽器を聴く~」で講師を務める。

講師挨拶・講座の様子

月琴について

月琴資料

「月琴」の由来は、共鳴胴の形が完全な円形で満月を思わせるところからついたといわれています。「明楽・清楽」という言葉をご存知でしょうか。中国の明朝時代(1368-1644年)・清朝時代(1644年から1912年まで中国を支配した最後の統一王朝)の音楽という意味で、日本では江戸時代中期頃から明治にかけて大流行した音楽です。

「明清楽」という言葉は、日本の上方方面で作られた造語ということが近年の資料研究で解ってきました。月琴のほかに17種類程度の楽器群があります。坂本竜馬が姉に出した手紙で「まことにおもしろき女にて、月琴をひき申し候。名は竜(りょう)と申し、私に似ており候」と紹介しています。おりょうの月琴師範は、長崎の名家「小曽根乾堂」の娘「キク」で、明治天皇の御前演奏会もしており、のちに横浜移住しました。明治以降は一般的な大衆音楽、または庶民の芸事として広く習われていたようで、練習曲などの楽譜も多数残されていますが五線ではなく数字譜が用いられています。

月琴資料
月琴資料
当研究所の初代所長 伊福部 昭は、日本に残された貴重な明清楽器の収集に努めておりました。その多くを当研究所がご遺族より寄贈を受け所蔵しています。現在、中国にはそれらの楽器が殆ど現存しておらず、研究者が日本に残された明清楽器を研究対象にしているほどです。当研究所は≪実際に音の出る、生きた楽器≫としての保存活動を目指しています。